『パパはジョニーっていうんだ』
ボー・R・ホルムベルイ 文 エヴァ・エリクソン 絵
ひしき あきらこ 訳
BL出版
大人の都合で、両親と一緒に暮らせなくなる子どもたちがいます。 この話は、月に一度父親に逢えるティムの一日を、チィムの言葉で書かれています。
プラットホームでひとり、パパと待ち合わせます。今日は、パパと二人きりで過ごす一日。 出逢う人、出逢う人に、「ぼくのパパだよ。ジョニーっていうんだ」と、胸をはって紹介します。
絵の中に、おとなしそうなさえない無口なパパが、書かれています。それでも子どもにとって、たった一人のパパ。世間の評価なんて関係ありません。 子どもと暮らせなくなったパパたちに、伝えたい。どんなパパでも、子どもにとってのパパは、あなたしかいないのです。
ふたりで入ったレストラン。帰りにパパが勘定をするシーンで「ぼくのパパが、お金をはらうよ」と店じゅうにひびく声で言います。 ティムは、どんな思いで日々、暮らしているのでしょうか。 別れの時間が来ます。プラットホームに見送りに来たティム。パパは電車の出発まで、少し時間があるのを見て、ティムを抱えて電車に乗ります。「この子は、ぼくの息子です。最高にいい息子です。ティムっていうんです」
子どもにとってママもパパも、ひとりづつ。いっしょに暮らせなくなっても、パパはパパ。忘れてはいけないことです。そして、いつまでも、子どもが誇れる「パパ」でいてください。それが一番の、子どもへのプレゼントではないでしょうか。