ブチがつれてきてくれたのは、町のはずれにある外国のおやしきのような家でした。
ぴょんぴょんと木に飛び乗り、二階の窓のそばのえだで止まりました。
そしてしゃれた形の窓のわくに手をかけ、ガラスの向こうをじっと見つめ、そして中に向かって手まねきしました。だれかをよんでいるようです。
またぴょんぴょんと木をつたい、フミヤのそばにもどってきました。
わけがわからずじっとしていると、しばらくしてげんかんから同じくらいの年の男の子が一人とびだしてきました。
ブチがその子を見て言いました。
「こいつが歯をもっていったんだ」
男の子は大きな目でフミヤを見つめました。