第3話 ふしぎな空間
そのお店、ニンジンハウス・ダイスキは、パンナコッタ王国の中心から少し離れたところにひっそりとありました。小さな赤い屋根の、おしゃれなお店です。予約を取るのも大変かも、と思っていたのですが、メェさんの悩みや仕事を聞いたタベルノダイスキさんは言いました。
「そうでしたか・・・。実はボクがこの町に引っ越ししてきたのは、シュガー姫さまの気になるお話を耳にしたからなんです。お食事をあまり召し上がらないとか、体が弱いこともうかがいました。それでずっと気になっていたんです。羊の執事のしつじーさん、ぜひぜひあなたにお会いしたいですっ!」
「わあ! そ、それはぜひにっ! わたしもあなたにお会いしたいですぞっ!」
それで3日後、メェさんはタベルノダイスキさんと会う約束をしました。
けれど・・・シュガー姫のうわさ・・・。一体どんなうわさを聞いて、タベルノダイスキさんはこのパンナコッタに来てくれたのでしょう。すぐれた料理人ならば、仕事はたくさんあったはずです。この国に来てくれたことはとてもうれしいですが、気になってしまいます。
はあ。
きっと・・・嫌なことを聞いてきたのではないでしょうか。自分がもっときちんと教育できていたら、もしかして・・・。メェさんを責めるつもりかもしれません。
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