第7話 これからのこと
シュガー姫の病気はそれからしばらくして、治ってきました。
メェさんはもちろんのこと、国中がホッとしました。たくさんの花束が、シュガー姫に送られてきました。
「良かったです・・・本当に良かった」
メェさんも一安心しました。シュガー姫はベッドの中で、タベルノダイスキさんが作ったリンゴのコンポートを口にしています。
「・・・聞いたわ。メェさんずっと看病してくれたんですってね?ありがとう・・・」
ニコッ。メェさんは笑って、
「いいえ。姫さまが元気になられて本当に良かったですぞ。・・・あの・・・うかがってもよろしいでしょうか。シュガー姫さまには悩みがあるのでは?」
そっと尋ねます。
「・・・うん。あのね、あたし・・・みんなに笑ってほしいの。みんな、あたしをかわいそうな子って思っているけど・・・あたし、かわいそうじゃないわ。この国の次の女王様だもの」
シュガー姫がしっかりとした声で言います。
「この国にはお母さまの写真が1枚もない・・・だからあたし、お母さまのことを何も知らなくて・・・。お父さまには聞けないわ。今でもあんなに悲しんでいるんですもの。でもあたしは知りたいの。あたしがあたしであるために。ねえ、教えてくれる? お母さまのこと。羊の執事のしつじーさん?」
ふふっ。
メェさんは笑いました。
「わたしの名前は、メェです。シュガー姫さま」
そんな自分がちょっぴり、ほこらしく感じながらメェさんはそう答えたのでした。
(おわり)