「それにしても、おやじ、よくがめ島を止められたな」
「ああ、それや。車から電話をもらって、すぐ、わしはがめ島神社の宮司に相談したんじゃ。宮司、急いで、船の数だけ、お札を届けてくれてな」
「お札?」
「お大師(たいし)様のお札じゃ」
「へえ。お大師(たいし)様は何にでもきくんやな」
「ほぼ万能じゃ」
台所で洗い物をしていたおばさんが、くすくす、笑います。
後々まで大介は、うらしま館からゲーム終了の「すばらしいプレゼント」をもらいそこなったと、くやしがりました。
「仕方ないやろ、時間内に終われなかったんやから」
と、浩一がたしなめても、
「かめ代のばか!」
と、いっこうにおさまらないのでした。
ところで、ここまで読んでくださった方は、きっと、その後、浦島太郎とおとひめがどうなったか、気になることでしょうね?
それが知りたいなら、どうぞ、越前海岸の高台、美しいコバルトブルーの海を望む「美波ガラス工芸館」にいらしてください。
きっと、答えが見つかりますよ。