つなぐ(8/10)

文・藤 紫子  

昔、これらの穴は、命を守る逃げ場所として使われていました。
村の人たちは、爆弾を積んだ飛行機が飛んでくるたびに、ここへかけこんだのです。
おじいさんと清枝さんは、昔、この村に住んでいました。
おじいさんが兵隊で戦争に行ったあと、清枝さんも村の人たちとたびたび逃げこみました。

おじいさんは、入り口にかれたすすきが立っている穴に入りました。
なかは、日の光があまり届いていません。
でも、おじいさんの頭のなかには、穴のなかの様子が入っています。
ひと月前にお供えした花も、すぐに見つけることができました。
ひからびて朽ちかけています。
おじいさんは、かかえてきた新しい花束をお供えしました。

藤 紫子 について

(ふじのゆかりこ) 札幌市生まれ。札幌市在住。季節風会員。小樽絵本・児童文学研究センター正会員。12年ほど町の図書館員をしていました。子ども向けのお話と好き勝手な詩(https://ameblo.jp/savetheearthgardian/entry-12601778794.html)を書いています。自然・ドライブ・博物館・棟方志功氏の作品・源氏物語・本(本なら問題集でも!)が好き。