8 ムラサキ鬼
うでを あわせ
からだを ぶつけ
なげまきこんで
もんどりうって
ぐるぐるまわって たたかううちに
いつのまにか 巨大な 2体は
おんなじ色の ムラサキに なっていた
つかれ あせをかき 塩を ふき
どすんと しりもち
あぐらを かいて
うしろ手を ついて
息絶えた
ムラサキの オニたちは
うごかなくなった
9 タベタ
そうして のこった 黒いコオニたちが
アリのように いっせいに
モモに たかりだした
マンゾクシタ
もう モモは いなくなった
コオニたちは サミシクなった
コオニたちは ツマラナクなった
だいすきなモモは
もうタベタ
もうナクナッタ
あえナクナッタ
旅を ついていくことも
遠くで においを かぐことも
もう なんにも できなくなって しまった
ツマラナイネ コオニが 言った
サミシイネ コオニが 言った