ほしいこ どんなこ(4/4)

文と絵・ひなたのんき

「ああ、こりゃどうも、かみさま。おかげさまで、ありのままの こを、さずかりました」
「そ、それはよかった。だが、なぜ、おこって おるのじゃ」

「いえ、なに。こいつは、ばけるのが、へたっぴぃなものですから。あさから ばんまで、きびしく きびしく、れんしゅうさせとりますわい」
「へたっぴぃでも よいではないか。ありのままの こを、だいじに すると、いうたじゃろ」
「もちろん、だいじに してますわ。でも やっぱり、タヌキは、ばけるのが うまくて、なんぼですから」
「わしらは このこを、ばける めいじんに、そだてて みせますわい。わっはっは!」
タヌキの ふうふは、むねをはった。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。