まず、一つめのきけんは、このどうろだ。
いえからすこしあるくと、ビュンビュンくるまがとおる大きなどうろがあるのだ。
ここでは、てきにおそわれないために、気をつけることがある。
「いいか、エージェントつよし。あのしんごうが、あかのときは、うごいてはいけないのだ。てきのくるまが、おそってくるんだ」
「うん、にいちゃん」
「うん、にいちゃん、じゃない!りょうかいしました、だ!」
「りょうかいしました!」
ぼくは、エージェントつよしの手をしっかりにぎって、しんごうをじっとにらみつけた。
まだあかのままだ。まだ、まだ・・・。
よし、今だ!
「あおになった。ゆくぞ! てをまっすぐあげて、むねをはって わたるのだ」
「にいちゃん、あれは、みどりだよ」
「しんごうのときは、みどりのことを、あおっていうのだ。ひみつのことばだ。いいな?」
「うん・・・じゃない、りょうかいしました!」
ぼくは、しっかり手をあげて、みぎとひだりをよく見ながら、しんごうをわたった。
りっぱなエージェントは、しんごうがあおのときでも、ゆだんはしないのだ。