ぼくたち エージェント!(3/4)

文・ひなたのんき  

つよしが、一つめのひらがな、「い」と「も」をゆびさした。
「ぼく、これよめるよ。『い』と『も』だよ。」
ひらがなならぼくもよめる。
たしかに「い」と「も」だ。つまり「いも」だ。

「カレーにいれるいもといえば・・・じゃがいもだ! 『ジャガ』は、カタカナの『じゃが』なんだ。それと、つぎのひらがなは『ね』と『ぎ』だ。カレーにいれるねぎは?」
「えっとねぇ・・・。たまねぎ!」
「それだ!『タマ』は、カタカナで『たま』だった。たしかに、『たまねぎ』だ!あと、このじは、にいちゃん、よめるぞ」

ぼくは、「ニンジン」の「ニ」をゆびさした。
「カタカナの『に』だ。カレーにいれる、あたまに『に』がつくものは?」
「に、に・・・にんじん?」
「やったぞ!あんごうをといた!」
ぼくたちは、いそいでうりばをまわって、じゃがいも、たまねぎ、にんじんをあつめた。
「ふぅ。やっとぜんぶそろった。よくやったぞ、エージェントつよし!」
「えへへぇ」

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。