クリスマスイブの夜になった。
「ママ~」
つよしが、居間のソファから、ママをよぶ。さくせん、かいしだ。
「どうしたの?」
ママが、つよしのところに行った。
よし。
ぼくは、こっそり、キッチンに入った。
インスタントコーヒーのビンは、たなの中だ。
そうっとイスをもっていって、たなをあける。ビンは、すぐ目のまえにあった。
ビンをもってイスからおりた。
こっそりコーヒーをいれて、子ども部屋にもっていけば、さくせんは、せいこうだ。
ぼくは、ふたに、手をかけた。
う~ん・・・
う~~ん・・・・・・
あかない。
ぼくは、ビンを一回おいて、はぁはぁする。
すごく、かたい。コーヒーのフタって、こんなにかたいんだ・・・。
めいっぱい力を入れてるのに、ぜんぜんあかない。
くっ。もう一回だ。
ぼくは、うでと体でビンをはさんで、手でフタをもって、もう一回、う~んと力をこめた。
う~ん、う~ん、う~~~~ん・・・・・・
カパコカコッ!
ゴトンッ!
「あっ・・・」
しまった・・・。
いきおいよくフタがあいて、ビンがゆかにおちた。
「たかし? どうしたの?」
ママが、こっちにくる。ぼくは、いそいで、ビンをひろった。
なかみが、こぼれてる。