「あぶなかった・・・。でも、コーヒーをのめたから、さくせんは、せいこうだ」
コーヒーをのんだ後、ぼくたちは、ちゃんと歯みがきをして、おふとんに入った。
「にいちゃん。コーヒー、おいしかったねぇ」
「うん、おいしかったな」
コーヒーって、ほんとは苦いらしいんだけど、ぼくたちのは、甘くっておいしかった。ママが、ミルクとハチミツを、たっぷり入れてくれたのだ。
「あとは、サンタさんをつかまえるだけだ」
ぼくたちは、おふとんの中で、じぃっとまっていた。
す~っ・・・す~っ・・・
となりのおふとんから、つよしの寝息がきこえる。
つよしのやつ、ねたフリがうまいな。
それでこそ、エージェントだ。りっぱなエージェントは、人をだますのもとくいなんだ。
す~っ・・・す~っ・・・
それにしても、きもちよさそうだな。
「・・・つよし? おきてる?」
す~っ・・・す~っ・・・
あっ! 本当にねてる!
仕方ないやつだ。コーヒーをのんだのに。
こうなったら、ぼく一人で、がんばるぞ。ぼくは、おふとんの中で、ギュッと手をにぎりしめた。