「にいちゃん、だいじょぶ?」
「ヴ~~」
つよしが、ぼくをのぞきこんで、話しかけてくるけど、ぼくは、のどがいたくて、あんまりしゃべれない。
「ねぇ、にいちゃん。サンタさん、いたのかな」
つよしが、プレゼントのヒーローベルトをいじりながら、ぼくにきいた。
「・・・・・・・・・」
ぼくは、ちょっとかんがえた。
ぼくたちに、プレゼントを持ってきたのは、パパだった。
でも、ぼくは、たしかに、サンタさんが、空をとんでるのを見た。見たんだけど・・・。
さっき、ママに、「ゆぎ、ふっだ?」ときいたら、
「・・・雪? ふらないわよ? 雪はね、もっとさむくならないと、ふらないの」
って、言われてしまったのだ。
「ふふふ。雪がふるゆめを見たの?」
ママはわらってたけど、ゆめなんかじゃない。
ゆめだったら、おふとんの中で、みたはずだ。でも、ぼくは、まどの下にいた。
ぼくは、まどから、サンタさんを見たんだ。