第5話 応援するよ
「どうしてキミは、泣いていたの?」
「あのね・・・パパとママがね、引っ越しするって言うの。でもね、もえね・・・したくないの。お友だちとお別れしたくないの・・・」
もえちゃんのひとみからまた、新しいなみだがあふれてきました。
「そうなんだね。それはかなしいね」
ナミダくんはうなずきます。
「でもね、もえちゃん。たとえ別れちゃっても、お友だちはずっとお友だちなんだよ」
「え!?」
もえちゃんは目を開きました。
「どういうことぉ?」
「大好きって気持ちは、はなれちゃってもなくならないんだと思うんだ。それにね。向こうでも新しいだれかと仲良くなることだってあるよ?」
もえちゃんはうつむきます。内気なもえちゃんは、お友だちを作るのが苦手でした。
ゆうちゃんとりんちゃんと仲良くなるのだって、向こうから声をかけてくれたからなれたんです。
「・・・新しいお友だち、いらないもん」
「そんなこと言わないで。もえちゃんはすてきな女の子だもん。これからいっぱいしあわせが待ってるよ。ねっ。2人に会わせてあげようか」
え!?
もえちゃんはびっくりしました。
「そんなこと、できるの?」
「うん」
ナミダくんはうなずきます。
「夢の中で・・・。2人にお話ししておいでよ。ボク、応援するよ。もえちゃん」