もんちゃんの だいじな ようじ (2/2)

文・季巳明代  

落ち葉もんちゃんは はずかしくて、そこらじゅうに おちている、はぜの はっぱや、もみじの はっぱ、それに、いちょうの はっぱを いっぱい あつめて かおを かくしました。

「もんちゃん、なにしてるの?」
みんなが おいついて きて、もんちゃんの かおを のぞきこみました。
どうしよう、どうしよう・・・
もんちゃんは むねが ドキドキ してきました。
あそぼ、って いえばいいのに どうして いえないの、ぼくの ばか、ばか。

もんちゃんは、かおを かくしていた いろとりどりの はっぱを、えーいと そらに むかって ほうりなげました。
はっぱが ヒラヒラと そらから ふってきます。

写本 -sozai_39635「うわぁ、きれい!」
「これを わたしたちに みせたかったのね」
「だいじな ようじって これだったのかぁ」
もんちゃんは なにも こたえられずに はずかしそうに うつむきました。

「もんちゃん、ありがとう」
「だいじな ようじが すんだから、いっしょに あそぼう」
みんなに てを ひかれた、もんちゃんの かおが まっかに なって ほころんで います。
もんちゃんと みんなの わらいごえが、くるりんやまに ひびいて きました。(おわり)


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季巳明代(きみ あきよ) について

鹿児島県出水市在住 保育士時代に公募にはまり、幼年童話作家をめざす。 毎日童話新人賞優秀賞、新美南吉童話賞特別賞、など受賞多数。 作品に『てんぷら母ちゃん』(家族っていいね3・4年生収録/日本児童文芸家協会編/PHP研究所)』 『ウドちゃんとチョロくん』(ぼくたちの勇気)収録/編著/漆原智良/国土社)』 『よっていっきゃんせ!』(児童文芸収録/日本児童文芸家協会編)』 単著に『ひげなしネコ』『じゅんばんこ!』『四年変組』『りほちゃんのめざし』(以上フレーベル館)、『ひっこしはバスにのって』(銀の鈴社)。キンダーブック2に、『にんにんにんじゃえん どろろんぐみ』を連載中。(いずれもフレーベル館