ようやく、東の空が少し明るくなってきました。
じろうがにわにもどると、トムはウトウトしています。
しかたがないので、トムをだっこしてじんじゃにむかいました。
「トムってば、ちっちゃいのにおもたいね。ああ、じてんしゃがあったらなあ」
じろうは、あせびっしょりになって、ようやく橋をわたりました。
「ほら、トム、じんじゃについたよ」
そういったとたん、トムは目をあけました。
そして、じろうのうでからとびおりると、おやしろにむかって、いきおいよくはしりだしたのです。
「トム、はいっちゃだめだよ!」
けれど、トムは、すこしひらいていたとびらから、おやしろの中にとびこんでしまいました。