そして、いよいよ そのときが やってきました。
なつの あるひの よるの ことです。
「コナラさん、いままで おせわに なりました。
ぼく、いよいよ そとの せかいにでます!」
「セミくん、いままで よく つちの なかで がんばったね!
そとの せかいは つちの なかよりも
さらに きけんがいっぱいだよ。
どうか きをつけて!」
「うん ありがとう。きをつけます」
そうして、セミは じぶんで つくったトンネルの さきに あなをあけ
そこから ちじょうの せかいの ようすを みました。
じつに 5ねんぶりに みる そとの せかいです。
「わぁー そとの せかいって こんなに すごいのかー!」
「よし! いまだ!」
セミは あなから でるときを きめました。
「いそいで おとなに なるための ばしょに たどりつかなくちゃ!」
そとの せかいを たのしむ ひまもなく
セミは じめんの うえを すこしずつ あるきはじめました。
「うんしょ うんしょ」