「調べてくるだって。ネコのあいつが、ハトの私のために?」
一体全体、どうやって調べるというのでしょう。
それに、チェシャの親切な理由が、いまひとつ、ピンときません。
でも、「たぶん、3回も生まれ変わっていれば、それなりに、不思議な力が身につくし、考え方だって、ふつうのネコとはちがってくるのかもしれない」と、ぼんやり、納得しました。
いずれにしても、ネコが消えて、ハトはほっとしました。
急に、どっと、疲れが出て、ハトはその場にうずくまりました。
そして、首を後ろに曲げ、くちばしを背中の羽に、すっぽり、うずめて、「やっぱり、食べられなくてよかったな・・・」と思いながら、目をつぶりました。
その晩、ハトはたくさんの夢を見ました。夢の中で、ネコになって、ネズミを捕まえたり、おっかないけものに追われたり、包帯でぐるぐる巻きにされて、ミイラになったりしたのでした。