アメリカの図書館が行う、ちょっと変わった取り組みに「パジャマおはなし会」というものがあります。これは、どんな州の、どんな地域の図書館でも行われる、よくある取り組みですが、文字通り夜になってから「パジャマ」を着て、図書館で読み聞かせや工作などを楽しむイベントのことを指します。
◆枕やぬいぐるみの人形を抱きしめて
私の住むワシントン州の図書館でも、閉館後にわざわざ図書館を再度開けて、6時半とか7時くらいから1時間ほど、子供のための「読み聞かせ」を行います。子供たちはお気に入りのパジャマに身を包み、枕やぬいぐるみの人形を抱きしめて、図書館での特別な時間を楽しみます。
読み聞かせも「夜」に関係するお話が多く、電気を真っ暗にして懐中電灯をいくつか灯すだけの演出をしたり、フクロウの鳴き声や、オオカミやコヨーテの鳴き声の入ったCDをかけたりと、かなり凝った仕掛けがある時も多く、なかなか面白いものです。
さて、子供にとってもとても楽しいパジャマお話し会ですが、これに「デート・ナイト」というものが合体し、大人にとってもうれしいイベントになることが、たまにあります。デート・ナイトが図書館である日には、図書館スタッフだけでなく、チャイルド・ケアの専門資格をもったスタッフ数人がボランティアを行い、子供たちを親が図書館に完全に預けることが可能になります。夜に2時間ほどゆっくりと夫婦だけでデートを楽しめるという機会を持てるということで、親にとってはちょっとうれしいイベントです。
私の家でもデート・ナイトを利用したことが数回ありますが、子供たちは「図書館にパジャマで行く」という非日常に大はしゃぎ、親たちはゆっくりレストランで食事を楽しむということで、双方ともに楽しい時間を大満喫といった感じです。