ザッ、ザッ。
ぼうしをかぶった、ショウタとスズが、ちかくの、ロッコウ山を、あるいています。
まえをあるく、お母さんのリュックサックには、お弁当とすいとうも、はいっています。
「あ、トリっ!」
ショウタと、手をつないだスズが、木をみあげて、さけびました。
「あれは、ウグイスさんね。ホーホケキョ、ってなく、おトリさんだね」
「あ、チョウ!」
「チョウチョさんに、にてるけど、あれは、ガ、かな。春になって、虫さんもたくさんね」
「川!」
「すわって、手をつけてみようか。すべらないように、ふたりとも、気をつけてね」
ちゃぷんっ。
「つめたい、つめたい!」
「そうだね。雨がふると、山のうえから、お水がながれてくるんだよ。スズが、家でのむお水は、ロッコウ山から、やってくるんだよ」
「へーっ! すごーいっ!」