目をギュッと閉じていたさえちゃんは、あれ? ふしぎに思って目を開けました。
鳥の声が聞こえてきます。そよ風も吹いているようです。
あれれ。ここ、もうおうちじゃないのかなぁ。
「はい。もうさえちゃんのおうちじゃないですよ」
タベルノダイスキさんは言いました。
「ここはボクたちのレストラン、オバケのバケバケレストランです。まっててくださいね、ボク がんばりますから!」
「さえちゃん、イスにどうぞ。のどは乾いていませんか?」
ニンジンダイスキーさんが、冷たいグラスを持ってきました。わあ、きれいなオレンジ色!
「ありがとう」
さえちゃんはごくんと飲み込んで、あれれ?首をかしげます。
「これ、もしかして・・・ニンジン?」
「はい。ニンジンとフルーツのジュースです」
さえちゃんの口の中で、ひんやりしたすずしい味が残っていました。