コツコツ、コツコツ
ヒーヒー、ヒーヒーヒー!
アディは、くちばしで、母ペンギンのくちばしを、コツコツ、たたき、ヒーヒー、ないて、ごはんをねだります。
すると、母ペンギンは、アディの口の中に、おなかにためてきた食べ物を、ドロッと、流し入れてくれました。
「ああ、おいしい! もっと、ちょうだい! もっともっと!」
コツコツ、ヒーヒー、ヒー!
「こらこら、アディ。それじゃあ、トトの分がなくなるでしょ!」
「いいよ、ぼく。あんまり、食べたくないから。ぼくの分も、アディにあげてよ」
トトは、力なく、うなだれます。
高く、すんだ空の上で、太陽は、ピカピカ、ペンギンたちを見守っています。
もちろん、いつもお天気とは限りません。
ときには、ヒューヒュー、冷たい風が吹くし、ひどい雪あらしがやってきて、何も見えなくなることだってあります。
でも、決して、暗くなることはありません。
今は夏。
太陽は、東から北へ、それから、西へ。
ぐるっと、南をまわって、また、東へ。
一日中、沈むことはないのです。