「すごいなあ、トトは。アホウドリでもできないのに、あんな小さい体で、天国までも飛んで行けるんだから」
アディは、トトが消えたのを見とどけると、また、スイスイ、泳ぎ出しました。
「あたしも、いつかは、神様にたのんで、つばさをもらうわ。そして、トトや、モルテンといっしょに、世界を見て回るの。
わくわくする!
でも、とりあえず、当分はペンギンで。
もっともっと、いろんなことを知らなくちゃ。
それはともかく、どこへ行ったら、モルテンに会えるのかな?
スクアノタカラを、どうやって、返そう・・・」
考えながらおよぐアディは、行く先の水平線が、どんどん、明るくなって、ついに、太陽が顔を出すのを見ました。
海はどこからどこまで金色です。
イルカがいます。
クジラもいます。
そして、もちろん、ペンギンたちも。
「アディ! アディじゃないか!」
「そうだ、アディだ!」
ペンギンたちは、ぞくぞく、アディのまわりに集まってきました。