「たのしいね、トト! あたし、ペンギンに生まれて、ほんとうによかったと思う!」
思わず、アディは、自分のそばに弟のすがたをさがしました。
でも、そこにトトのすがたはありません。
「そうだった。トトはえんび服になれなかったんだ・・・」
もこもこ、まん丸頭のまま、トウゾクカモメにさらわれてしまった小さなトト。
「さよなら、アディ・・・」
トトの声が頭の中でひびきました。
アディは、たまらず、ドボンと、海にとびこみ、ぐんぐん、もぐって行きました。
仲間たちは、アディにつられて、次々に飛びこみ、アディの後ろをついて行きました。
でも、アディが、いつまでも、もぐるのをやめないので、みんな、あきれて、もどってしまいました。