次のしゅんかん、緑の光は、波のように大きく広がって、うずを巻きながら、空全体を、さあっと、あらいました。
あまりの明るさに、星々はかくれ、アディは、赤い星を見失いそうになりました。
「大変だわ! 早く、じゅ文を言わないと! ンギャッギャ、ンギャッギャだってば!」
あせればあせるほど、頭の中は真っ白です。
「落ち着くのよ、アディ」
アディは目を閉じ、ゆっくり、モルテンとの練習を思い出しました。
「モルテンの・・・、名にかけて・・・」
目を開けた、ちょうど、その時、オーロラが切れて、赤い星が、くっきり、見えました。
「ギャアギャア、ギャギャン、ンギャー!」
赤い星から一筋の光がスクアノタカラに差しました。すると、それは、まさに、星と同じ色に、キラキラと、かがやき始めたのです。