ジャニス・レヴィ 文
クリス・モンロー 絵
もん 訳
岩崎書店
新しいママ候補(?)のパパの彼女を、娘の観察感で心地よい距離感が伝わる、さわやかな一冊。子どもとの関わり方に、戸惑っていらっしゃる方へ、お勧め。学ぶことは多い。
子どもがいたって、独身なら恋は自由。しかし、子どもにも好みがあり、相性もある。なかよくなって認められたい気持ちが、大人サイドにあるのが一般的。全く身勝手な話だ。
この話に、ママの話は出てこない。最初からいないのか、死んだのか、離婚なのか。わかるのは、娘の前で「スイートポテトちゃん」と、彼女のことを呼ぶ、娘から見て「イケテない」パパと、今風の個性的なパパの彼女エリザベス。絵から、娘の生意気ぶりがよく解る。
共通点のない、エリザベスと娘。消して娘にこびないエリザベス。鋭く観察する娘。ママになるかもしれないパパの彼女は、気になる。娘の視点は、女同士だ。パパの彼女は、娘にとって、ママの代わりには絶対ならない。
本書の中でエリザベスは、非常に良い距離を保っている。
「あたしのはなしを テレビをけしてきいてくれる。ひみつはひみつにしといてくれる」「あたしにぜったい、バカっていわない」「あたしのものをガラクタっていわないし、かってにさわらない。じぶんでかたづけるなら、ちらかしたっていいんだ」など、娘を一人の人間と認め、大切に向き合っている。実の親子も守るべき心地よい距離を、教えられる。グーパーの距離。必要な時は、グーっと手をつなぎ、必要でない時は、パーと手をつながない。いつでもグーと手を出せる距離が、信頼づくりのポイント。肩書は、何でもいいではありませんか。