ラブソング

文と絵・田村理江

お喋りをしている間に、トナカイがティーセットを運んできて、
お茶の時間になった。モカはお茶を飲みながら、博士をジロジロ眺めた。
「カドノ博士って、すごい博士だから、お年寄りかと思ってた」
「正解! ぼくは時間戻しの実験で若返ったんだ。その時の衝撃で、家が転んじゃったんだけどね」
「そんなことができるなら、あなた、本物ね。なら、これをーーー」
ポケットから銀ラベルのカセットテープを取り出した。

「ありがとう。探してたんだ」
「これも都市伝説に関係あるの?」
「古いテープには、ごく稀に“ふくろうボイス”が吹き込まれている」
「ふくろうボイス?」
「聴いた人が永遠に幸せになれる声さ。闇を溶かす神秘的な声」
「へぇー。これに入ってるかなぁ?」
「調べてみるよ。少し時間がかかるけど、必ず報告する」

トナカイに勧められるまま、モカは美味しいお茶を5杯飲み、甘い甘いクッキーを10枚も食べ、大満足で博士の家を後にした。
それから10日。カドノ博士から、また手紙が来た。

ふくろうボイス、発見!
おばあさんとおじいさんを誘い、
我が家に来たれ


次のページに続く

田村理江 について

(たむら りえ)東京都生まれ 成蹊大学文学部日本文学科卒業。日本児童文学者協会第15期文学学校を終了。 第6回福島正実記念SF童話賞を受賞して、『ガールフレンドは宇宙魔女』(岩崎書店)を出版。 児童書の作品に『リトル・ダンサー』(国土社)、『夜の学校』(文研出版)、『魔の森はすぐそこに・・・』(偕成社)など。絵本の作品に『ふなのりたんていラッタさん』(フレーベル館)、『ハンカチのぼうけん』(すずき出版)など。 HP:田村理江のページ