ラムネスイッチ(2/5) 文・円山なのめ 「スイッチじゃないよ。これは、ラムネ」 おそるおそる、言ってみる。 「スウィッチ。プッシュ。プッシュ」 どうも、こいつは、 「このラムネはスイッチだから、押せ」 って、ぼくにすすめているらしい。 ばかみたい。 でも、言うことをきかないと、何をされるかわからないし。 しゃがみこんで、指でラムネを押した。 ピッ。 「あれっ」 本物のスイッチみたいな手ごたえがあって、ラムネが地面に引っこんだ。 その、とたん。 2 / 2«12