「あのさ。ごめんな。遊ぶ約束、何度もやぶって」
「いいよ。もう」
二人いっしょに、公園を出た。
「おれさ。英会話、ほんとはやめたいんだ」
ようちゃんが、ぼそっと打ち明けた。
「先生が、テンション高すぎて、ついていけないんだよ」
「そうなんだ」
「シーユー、アゲイン! ハ! ハ!」
あいつの声が聞こえた気がして、ふりむいた。
だれもいない公園。
粉ごなの、ラムネスイッチ。
ビューッと、強い風が吹いてくる。
粉になったラムネスイッチは、あっという間に公園の砂にまぎれて、見えなくなった。