リンのはね(2/2)

文と絵・かなこ すぷらうと

リンは ふかく いきをすって もういちど はねを ひろげました。
コスモスたちも すくなくなった はなびらを けんめいに ゆらしました。
そして いっせいに さいごの いのりを うたを うたいました。
すると どうでしょう。
はなびらの はねが どんどん ふくらんで じょうぶに なっていきます。
リンS15_16
リンは おもいきって はねを おおきく うごかします。
もう どこも いたく ありません。
リンは まっすぐに そらたかく とんでいきます。
リンは ちから いっぱい さけびました。
「まえに すすむんだ!」
リンの したでは やさしい コスモスたちの うたごえが いつまでも ひびいていました。

かなこ すぷらうと について

埼玉県生まれ。社会人になった後、1年間暮らしたNewZealandでたくさんの自然に触れたことをきっかけに、絵を描くことを志す。帰国後は絵画教室に通い、児童デイサービスで働きながら絵本づくりやイラスト制作を続ける。空気の匂いや温度のある絵を描けるように勉強中。現在はアメリカ在住。 Twitter : kanacosprout