『ハグタイム』
パトリック・マクドネル 著
覚 和歌子 訳
あすなろ書房
国際結婚をしている友人が、こんなことを話してくれた。
「彼はいつもハグをしてくれる。朝起きても、会社に出かけるときも、帰宅した時も。夫婦ゲンカをして険悪なムードになっても、夜寝る前に必ず、ハグ。頭にきて顔も見たくないときでも彼にハグされると、なんか怒っているのがばかばかしくなるの」。
とってもステキな話。うらやましいご夫婦だなと思った。ハグにそんな力があるんだ、と思っていたそんな時に、本書と出合った。
子猫のドージィは「ハグすると世界が良くなる」と言いだした。飼い主の少女ジュールは、その言葉を聞いて、ドージィにセーターを着せ、ハグの旅に送り出してあげたのだ。
子猫のドージィは近所の猫や公園の小鳥をハグ! 船に乗ってクジラをハグ! アフリカでたくさんの動物たちを、インドでトラを、中国でパンダを、そしてオーストラリアでワラビーをハグ!
世界中の仲間をハグしてまわったドージィは北極へ渡る。しかし、だれもいない北極でドージィは孤独を感じてしまう。やっぱりハグは無力なのかと。でもそのときドージィに起こったこととは・・・。
子猫のドージィが言うように、世界中の人が、憎悪を捨て、心からハグできれば、争いも、もっと減るのではないだろうか。
日本人はハグにあまり慣れていない。でも愛する子なら、ハグできるはずだ。家庭からハグの輪が広がればいいなと思う。
本書を子どもたちに読み聞かせしたあとは、忘れずにハグしてあげてほしい。そして愛する人にも。
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