◆大人ならではの感じ方・読み解き
もう1冊、わたしが絵本セラピーを行う中で、とても反応がある絵本がこちら。
せなけいこさんの『となりのたぬき』(鈴木出版)です。
「うさぎは、大嫌いな隣のたぬきをこらしめようとお月さまにお願いします。
その願いを聞き届けるための条件とは・・・。(出版社からの紹介文)」
お話はいたってシンプルなのですが、参加者のみなさんは身近な人をたぬきと重ね合わせ、「自分が変わらなきゃ、相手は変わらないのね~」「人間関係とおんなじ、深い話だわ~~」と。
大人ならではの感じ方・読み解きをしてくださるのです。
絵本セラピストはあくまで絵本を選んで、場をつくって、読むだけ。
でも、参加者は時に涙を流して、自分自身の心につっかえていたことや、蓋をしていた昔の記憶などを解き放つのです。
それは、私が想像していた以上の「効果」です。
「絵本の力」ってすごいなあ、と毎回感じます。
食育、いじめ、生命の大切さ、人を思いやる気持ち、自然の大きさ・・・いろんなことを絵本は、おしつけがましくなく、シンプルに教えてくれます。
その「絵本」の可能性を私は絵本セラピーを通してさらに強く感じることとなりました。
「絵本そのものの力」ーーそれを教えてくれたのは参加者のみなさんでした。
さあ、次回はさらに参加者のみなさまの声などをお届けしようと思います。
なお、プログラムの進め方など詳しくは、絵本セラピスト協会代表の 絵本のソムリエたっちゃん こと岡田達信さんの著書『絵本はこころの架け橋』(瑞雲舎)に書いてありますので、ぜひご覧ください!