◆この絵本に出合えて良かった
同じ絵本で他の男性も涙をこらえていたそうです。
「楽しい絵本なのに、なぜか自分のじいちゃんのことを思い出して、泣きそうになった」と。
不思議ですね。この絵本、子どもたちに読むと本当にみんな声をあげて笑い、大ウケするお話なのに、大人が聴くと切なくて泣けちゃう方がいらっしゃるのです。
このように、「経験値の少ない子ども」はそのまま絵本のストーリーを受け取るけれど、「人生を積み重ねていろんな経験をしてきた大人」だからこそ響くモノがあり、感じられるものがあるのです。
もう一冊、『わたしは あかねこ』(サトシン・作、西村敏雄・絵 文溪堂)も絵本セラピーで本当に反響がある絵本です。
「人権」をテーマにしたイベントなどでご紹介させていただいたことがありますが、絵本セラピーでこの絵本を読むと、特に自分探しをしている若者や子育てに悩むお母さんから「この絵本に出合えて良かった~~」という感想を寄せられます。
私が絵本セラピーをさせていただいている岡山市内の絵本カフェ「絵本の納屋」さんには人間関係に悩む方や生きづらいと考えている方も多くいらっしゃるので、絵本セラピーで「ほっこり」してもらう、「まったり」してもらうということを意識して絵本をいつも選んでいます。
月1回のペースなので、絵本セラピーを受けて仕事の疲れを癒し・・・また1カ月仕事を頑張ってまた癒されて・・・と。
「絵本セラピーで生活のリズムが出来た」とか「月に一度ここでみなさんと心の棚卸しをしてスッキリするのが楽しみ」という嬉しいお声もあります。
さあ、ここまでお話ししたら「私も絵本セラピストになりたいわあ」とか「絵本セラピー受けてみたい!!」と思ったでしょ!?
次回のコラムでは、「絵本セラピーの可能性」と題して、全国各地の絵本セラピストさんの多彩な取り組みをご紹介します!
それまで待てない~~というあなた(笑)
絵本セラピーの詳しい進め方などについては、絵本セラピスト協会代表・岡田達信さんの著書『絵本はこころの架け橋』(瑞雲舎)に書いてありますので、ぜひご覧くださいね。
読書の秋、秋の夜長、大人も絵本を楽しんじゃいましょう♪