本書を読んで、「ああ」と思った。
旅のはじまりとは、自分の中にある想いに、まず気づくことなのだと。
――楽しい、悲しい、苦しい。
みんなの中にあるそういった想いは、ひょっとすると、新しい冒険へと自分を導いてくれる、サインなのかもしれない。
――それならもっと、自分に聞いてみよう。
胸にぽっかりと空いた穴でもいい。
ふと、心に浮かんだことでもいい。
それはもしかすると、「新しい旅」への、お誘いなのかもしれないのだ――。
本書は、小学低中学年むけ、とあるが、もちろん大人でも幼い子どもでも、楽しく読めるであろう。
北川チハルさんの美しい文章と、青山邦彦さんのステキな絵が、物語の世界へとどんどん導いてくれる。
本書を読み終えた子どもたちは、いつか気がつくことだろう。自分の胸が、たえず訴えかけてくる、その大切な理由を。
――ああ、新しい旅がはじまる。
本書は、そんな大切なことに気づかせてくれるオススメの本だ。読み聞かせた後のお子さんも、「自分の家も旅をしてきたんだね」と、きっと心が和むにちがいない。
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『たびいえさん』の著者のインタビュー記事はこちら → 『たびいえさん』の著者・北川チハルさんに聞く(1/2)