ヤコブは、ぼんやりサーシャのことを考えていた
「俺様の声が聞こえるなんて、はじめてだ」
今までだれにも声も聞かれず、すがたも見てもらえず
でもそれでいいって思ってた
だけど・・・
俺は知っているんだ
サーシャに世界を見せるほうほうを
俺は知っているんだ
自分のからだの全部を使えば、なにができるのかを・・・
「ちょっとだけ使うか、これくらいのじゅもんなら、だいじょうぶだろう」
じゅもんをとなえて目をとじた・・・
「サーシャ、サーシャ、わかるかい、俺様がまた来てやったぞ」
「その声は、ヤコブ! うれしい、また来てくれたのね」
「これはサーシャのゆめの中さ、さぁ、ゆっくり目をあけてみな」
「え? どうして?」
「いいから」
サーシャは目をゆっくりあけた