すると、トントントンと、口をだれかが たたくのです。
「なにをしているのだい。だいじなお客さまだよ。口を大きくあけなさい」
まじょが、とつぜん こわい顔をして言うのです。
あわてて、口を大きくあけると、まじょのまごのリリーが、
「ウフフ。おばあさま。わたしが、テディベアをすきと聞いて、ほんとうに家にしてくれたのね」
と、とびはねながらよろこんでいます。
「かわいいリリーちゃんのためなら、なんだってするのさ」
まごには、あまいまじょが、言いました。
「ウフフ。おばあさま。おしゃれな、おばあさまにしては、少し、じみではないかしら。耳のことなのだけれど、リボンをつけたらどうかしら」
「そうだね。かわいいテディベアの家にするには、リボンがひつようだね」
「あと一つ。おばあさま。少しよごれているみたいだから、きれいにみがいた方がいいと思うわ」
と、わがままなリリーが言うと
「リリーちゃんが、きれいにみがきましょうと言ったのが聞こえなかったのかい。はたらかないと ガブっと 食べてしまうぞ」
と、まじょが、こわい顔をして、リスをにらむのです。