「何、そのおこった顔は! テディベアみたいにかわいい顔にしなさい」
リリーはくまさんをにらみつけるのです。
『ぼくは、りっぱなくまだった。のんびりやのぼくだけど、コックでみんなに りょうりを作り、おきゃくさまが、えがおになってくれていた。』
くまさんはうっとりした顔をして昔の自分を思い出していました。
『なのに、今は、ただの家になってしまって、じゆうがない。このままじゃ、まじょの言いなりになってしまう。そんなのは いやだ。』
おてつだいのリスさんも きっと同じはずだとくまさんは思いました。
「リスさん。まじょの家でおてつだいをしていて、つらくないの」
くまさんが小声で言いました。
「いつもおこられてばかりで、つらいわ。でも、しごと先がみつからなくて、こわいまじょのおてつだいをしているの。くまさんは大丈夫なの?」
しんぱいしてリスがたずねました。
『じゆうになりたい。けれど、どうすればもとの体にもどれるのかな』
こまった顔をして、くまさんが 考えていると、
「グーゴロゴロ」
とつぜん、くまさんのおなかが、なりました。