小さな活動、大きな意義ーー読み聞かせを終えて

読み聞かせ18月23日午前10時。暴力被害者の支援グループCo‐ring佐賀さん主催のフォーラムで、自作絵本『たまごになっちゃった?!』の朗読を行った。伴奏は、関谷静司さん。はじめての読み聞かせからペアを組んでいる、プロのギタリストだ。

題名を読むと、やわらかく楽しげなギターの音色が流れだした。朗読をはじめる。スクリーンに広がる、ひぐちゆうこさんのイラストに、観客の目が、ぐっとそそがれる。

森で卵を見つける子どもたち。あたためた卵から出てきたこぶたのプータ。
そしてプータは、卵になっていた秘密を語り出す・・・・・・。
物語に添って、やさしく、時には力強く奏でられるギター。声と音が重なり合う瞬間を肌で確かめながら、読み進めていく。
物語が進むにつれ、消えていくざわめきに手ごたえを感じながら、解説を入れて約20分の公演を終えた。
(なんとか、かまずに終われた~)
拍手を受け、こっそり安堵の息をはく。

読み聞かせ2そして、本講演「DVとは、DVのないまちづくり」へとバトンタッチ。
小さなひとりを大切にしたい、というCo‐ring佐賀さんの活動のような、小さな講演会での、小さな朗読会。
そこから生まれる大きな一歩。
親の暴力を目撃し、傷を抱えてしまった子どもたちに、希望のあかりを!
願いをかけて、夏の一幕を閉じた。
(平松詩子)

満月 詩子 について

(みつき うたこ) 佐賀県生まれ、在住。学校図書館勤務を経て、福祉関係の仕事に就く。現在は、仕事以外に、ボランティア活動なども行いながら、絵本や児童書の創作を続けている。日本児童ペンクラブ、日本児童文芸家協会会員。 2012年、『その先の青空』で、第15回つばさ賞、佳作に入選 おもな著作に、『さよなら、ぼくのひみつ』【『さよなら、ぼくのひみつ』(国土社)に収録】。『たまごになっちゃった?!』【佐賀県DV総合対策センター発行】、『あかいはな」』【『虹の糸でんわ』(銀の鈴社)に収録】などがある。