8月23日午前10時。暴力被害者の支援グループCo‐ring佐賀さん主催のフォーラムで、自作絵本『たまごになっちゃった?!』の朗読を行った。伴奏は、関谷静司さん。はじめての読み聞かせからペアを組んでいる、プロのギタリストだ。
題名を読むと、やわらかく楽しげなギターの音色が流れだした。朗読をはじめる。スクリーンに広がる、ひぐちゆうこさんのイラストに、観客の目が、ぐっとそそがれる。
森で卵を見つける子どもたち。あたためた卵から出てきたこぶたのプータ。
そしてプータは、卵になっていた秘密を語り出す・・・・・・。
物語に添って、やさしく、時には力強く奏でられるギター。声と音が重なり合う瞬間を肌で確かめながら、読み進めていく。
物語が進むにつれ、消えていくざわめきに手ごたえを感じながら、解説を入れて約20分の公演を終えた。
(なんとか、かまずに終われた~)
拍手を受け、こっそり安堵の息をはく。
そして、本講演「DVとは、DVのないまちづくり」へとバトンタッチ。
小さなひとりを大切にしたい、というCo‐ring佐賀さんの活動のような、小さな講演会での、小さな朗読会。
そこから生まれる大きな一歩。
親の暴力を目撃し、傷を抱えてしまった子どもたちに、希望のあかりを!
願いをかけて、夏の一幕を閉じた。
(平松詩子)