幼年童話の書き方~第1部「基本のキ」その4

その4「幼年童話の文章」

◆単文と重文

幼年童話の文章はシンプルとリズミカルが基本です。
シンプルな文章にするには、できるだけ単文にすることです。
単文というのは「わたしはりんごをたべました」のように述語が一つの文です。
「パパはラーメンをたべて、ママはチャーハンをたべました」のように単文が並列にならんでいるのは重文と言います。
「わたしはママがつくってくれたカレーがだいすきです」は、一つの単文の中に単文が組み込まれているので複文です。

濃い描写はテンポが悪い

重文や複文は長いだけでなく、構造が複雑になります。単文を意識していないと重文や複文になってしまいがちなので気づいたら単文に分けましょう。
単文にしていても長くなってしまうことってありますよね。それは描写のせいかも。濃い描写は文章が長くなるだけでなく、テンポも悪くなります。

描写が続くのは車のアイドリング状態なので。描写には擬態語や擬音語を活用しましょう。聞き慣れたことばの方が低学年の子どもたちはイメージしやすいので、オリジナルをなんて思う必要はありません。幼年童話では「描写は薄く」です。

次のページに続く

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。