幼年童話の書き方~第1部「基本のキ」その8

「承」はエピソードを積み重ねていくところ
「起承転結」の構成を説明しましょう。
①が「起」です。「起」は人物や設定を紹介するところです。こぶたの家族構成や3匹が家を出ることになった事情が紹介されています。「起」はできるだけ短くするのがポイント。読者は話が動きだすのを待っています。

②から話が動きだします。ここから⑦までが「承」です。「承」はエピソードを積み重ねていくところです。
また、クライマックスの準備(伏線)をしていくところでもあります。この話では、わらたば→木の枝→レンガという具合にこぶたの家がグレードアップしていきます。

3番目のこぶたのエピソードになってからは、おおかみの気持ちがヒートアップしていきます。こんな感じで、クライマックスに向けて話を盛り上げていくんですね。「転」や「結」に急ぐあまり「承」をはしょると読者は物足りなさを感じるので要注意! ここで読者をたっぷりと楽しませることがポイントです。
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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。