それが楽しさ
『おーい ペンギンさーん』も、日曜日の夕方、家でたろうくんが父ちゃん母ちゃんと会話している場面から始まります。銭湯の様子もリアルです。ペンギンの子を追いかけている途中だって、大嘘ばかりじゃありません。
ペンギンの子が町の銭湯に来ていて、しかも服(?)を脱いで風呂に入って・・・というのは大嘘のはじまりにすぎなくて、ここから嘘がどんどんパワーアップしていくんですよね。作者が自分のついた嘘に気恥ずかしくなって、せっかくの楽しい話が尻すぼまりになってしまう、なんてことはないんです。それがこの本の魅力です。
わたしのデビュー作『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)もナンセンスの物語なんです。じつは、ナンセンスを書こうと思って書いたわけじゃなく、宿題を出す先生と闘う話を書いたらああなって、本になってから、これはナンセンスだと人から言われて、わたしが書いたのはナンセンスだったんだとわかった次第で。だから、ナンセンスを意識しなくても書けます!
楽しい大嘘をついて突っ走る。途中でひるむことなく、どんどん突っ走る。それがナンセンスの楽しさだと思います。みなさんも、とびっきりの大嘘をついてみませんか?
★野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
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