著者のやさしさ
「学校不適応」というレッテルを貼られそうですが、幼稚園や保育園に通ったことがなかったらこうかもしれないなと思えるほど、きらちゃんの言動は自然で、違和感がありません。
作者の北川チハルさんは、入学前の子どもたちに「小学校は先生も友だちもみんなやさしいから、心配しなくていいんだよ」と伝えたかったのかもしません。わたしは、小学校生活にすっかり慣れた1年生にも読んでもらいたい本だと思いました。物語の世界に入っている間はきっと「おりこうさん」から解放されるんじゃないかなあ。
こういうきらちゃんを主人公にしてお話を書いたところに、北川チハルさんのやさしさを感じます。作品には自ずと子どもとの関わり方が表れるもの。子どもに寄り添っている北川さんならではの作品です。
1年生を担任していたとき、「おとうさん」と声をかけられることがよくありました。「ねえねえ、おとうさん、あっ、ちがった、先生」なんて感じで。一度だけ、「おかあさん」と言われたこともありましたが。
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
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