幼年童話の書き方17~第2部「名作に学ぶ」その5

🦊秀逸のアイデア

お母さんは子どものことをどれほど愛おしく思っているのか。子どもを亡くすことがお母さんにとってどれほど悲しいことか。それを、かあさんぎつねの話とすることで少し距離を置いて見ることができます。

途中、切ない場面もありますが、読み進めていってきつねの電話ボックスの正体がわかったころには心がほかほかしてきます。さらに素敵なオチも用意されていて、読者を幸せな気分にさせてくれます。

やさしさがたっぷりと詰まったお話で、自分もやさしさに包まれていることに気づいた子どもたちは、きっと人にやさしくなれると思います。

この本、他にも伏線の貼り方など学ぶところはたくさんありますが、電話ボックスを使うというアイデアが秀逸です。

野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
https://x.gd/sq5xe

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。