幼年童話の書き方20~第2部「名作に学ぶ」その8

ハラハラドキドキのエピソードが

これは、のらねこからりゅうの子どもの話を聞いたエルマーがそのりゅうを助けるためにどうぶつ島へ行く話です。
貨物船に潜り込んでみかん島に行くところまではよかったのですが、どうぶつ島に渡ってからはピンチの連続です。つぎからつぎへといろんな動物が現れてエルマーの行く手を阻みます。

なにしろ、「いままでおおぜいの人が、どうぶつ島へわたっていったけれど、だあれもいきてかえってこねえ。おっかねえもうじゅうに、たべられちまったんだろう」(P35)という島なので、エルマーを食べようとする恐ろしい猛獣だって出てきます。ハラハラドキドキのエピソードがどんどんグレードアップしていって、クライマックスではすごいことに。

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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。