幼年童話の書き方20~第2部「名作に学ぶ」その8

知恵と勇気で

でも、エルマーは諦めません。なんども怖い目に遭いますが、のらねこに教えてもらって用意した持ち物を使って、すいすいクリアしていきます。

子ども読者にはこれが痛快でたまらないのでしょう。「冒険」とは「危険を伴うことをあえてすること」(三省堂スーパー大辞林)です。つまり、危ない状況をどう乗り越えるのか、それが冒険の楽しさなんですね。ポイントは知恵と勇気!

ちなみに、高学年の子どもを虜にしたのは『冒険者たち』(斎藤惇夫・作 薮内正幸・画 岩波書店・1982年)でした。本を読んでいる姿をあまり見たことがなかったK君が、休み時間だけでなく給食の時間も寸暇を惜しんで本を開いていました。あの長編を一気読みでした。

本の中でスリル満点の冒険ができるのですから、子どもたちは本好きになりますよね。


野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
https://x.gd/sq5xe

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。