幼年童話の書き方21~第2部「名作に学ぶ」その9


くろさわくんの魅力を語る

だから、ぼくはなんども「ぜっこうだ!」「もう口をきかない!」と決心するのですが、いつもくろさわくんのことを気にしています。かっこいいなと思ったり感心したり、応援することだってあります。これもぼくの偽らざる気持ちです。ちょっと荒っぽいけど、それがくろさわくん流のやさしさや友情の表現だってことをちゃんと感じているんですね。

くろさわくんの被害をいちばん被っているぼくがくろさわくんの魅力を語るのですから、説得力があります。子ども読者はきっとくろさわくんが好きになるでしょう。そして、くろさわくんの理解者であるぼくのことも。

くろさわくんのワルぶりは巻を追うごとにパワーアップしていきます。でも、それだけではありません。これ以上は書けないので、気になる方は全巻読んでみてください。

これは元小学校教員としての感想なんですが。1ねん1くみの担任しらかわ先生がすばらしいんですよね。1年生の担任はこうでなくっちゃと思いました。しらかわ先生に出会えた1ねん1くみの子どもたちは幸せです。

この本、若い先生たちにも読んでもらいたいなぁ。ひょっとしたら、学校が変わるかも。

野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
https://x.gd/sq5xe

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。