幼年童話の書き方22~第2部「名作に学ぶ」その10

罰として
この話は妄想だけで展開していくわけではありません。音楽室へ行って怖いおにづか先生からタクトを借りてくるという現実と交錯しながら展開していきます。なので、けっこう複雑なんです。でも、心配は要りません。幼年の読者でも理解できるように、ちゃんと工夫されています。

ファンタジーやナンセンスにしなくても楽しい話はできます。妄想が膨らめば、ハラハラドキドキの事件が起きなくてもだいじょうぶ。もちろん、その妄想次第ですが。

最後の場面で、きしくんは罰として廊下に立たされました。近ごろは体罰にあたるので廊下に立たされることはないと思いますが、これは1989年に出版された本なので、その点はご了承を。

昔のこととは言っても、廊下に立たされるのはけっこう重い罰だと思います。ということは、きしくんがしたことは・・・。

ユーモア童話と言えばいいのか妄想童話と言えばいいのか? とにかくおもしろいので、この本を読んでみてください!野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3) → https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3) → https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3) → https://x.gd/sq5xe

 

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。