幼年童話の書き方23~第2部「名作に学ぶ」その11

大きな一歩を踏み出す

学校が怖くて・・・というるみちゃんが自分の力で大きな一歩を踏み出しました。とんちゃんやよっこせんせいだけでなく、クラス全員の応援があったからできたことです。このクラスなら、るみちゃんがまた魔法にかかってしまっても大丈夫。

るみちゃんのような子がこの本を読んだら、わたしもがんばってみようという気持ちになるでしょうし、クラスにるみちゃんのような子がいるという子なら、応援してあげようという気持ちになるでしょう。

川村たかし先生は「幼年文学」について『児童文芸』2024年秋号(日本児童文芸家協会発行)で、つぎのように書いています。
「人間としての初歩を歩み始めた子どもたちに安心を与え、成長につながる心のエネルギーを与えるのは、『幼年文学』なのであって、けっして子どもを教育しようという本なのではない」(「再録 続・児童文学の方法」から)

幼年童話を使ってしつけようとか教育しようなんて大人の魂胆は、子どもたちには簡単に見破られますからね。要注意です。

野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
https://x.gd/sq5xe

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。