幼年童話の書き方25~第3部「自作を語る」その1

ハラハラドキドキやクスッが満載

こうしてできたのが『のらカメさんた』です。これは、人間の身勝手で捨てられて「のらカメ」になったミドリガメのさんたが、河原でたくましく生きていく話です。

第1話であるこの本のテーマは友情です。さんたが、飛ぶのが下手なスズメのしゅんをいろいろなアイデアを出して助けます。連載ということで、毎日どこかにハラハラドキドキしたりクスッと笑えたりするような場面を入れました。それを1冊にまとめたこの本は、ハラハラドキドキやクスッが満載になったはずなんですが。

最初に書いたように新聞には3話書いたのですが、出版されたのは第1話と第2話だけでした。本にならなかった第3話は、さんたがクサガメのはるかちゃんと駆け落ちする話なんですよね。幼年童話で駆け落ちの話を書いたのはわたしがはじめてなんじゃないかと思っていたので、これが本にならなかったのがほんとに残念で(笑)

野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。