幼年童話の書き方26~第3部「自作を語る」その2

どなってるだけじゃないか

主人公イサムくんのクラス2年2組の担任のガミヤマ先生(イサムくんがつけたあだ名)は、すぐに「うるさい」と怒鳴ります。そんな先生にイサムくんが、「先生なんか、どなってるだけじゃないか」(P13)「すぐに、『うるさい』って、いいすぎなんだよ。先生のほうが、ずっと うるさいくせに」(P14)と、日ごろ思っていたことを言ってしまいました。

言われたガミヤマ先生は、ますますエキサイトしてケンカが始まりそうになるのですが、隣のクラスのともこ先生が仲裁に入って、二人で勝負をすることに。3回勝負をしてイサムくんが勝ったら、ガミヤマ先生にこうしてほしいと注文できることになりました。どんな勝負をしたのか、そして、その結果がどうなったのかは、ここには書きません。ぜひ、本を読んでみてください。

怒鳴っているだけの先生が子どもと真剣に向き合ったときに、子どもたちの先生を見る目が変わります。自省も込めて、子どもたちの言い分を代弁した話なので、若い先生たちにも読んでもらいたい本なんですがね。

登り棒の場面があるのですが、同人誌『プレアデス』でいっしょだった、中学校の体育教師・石神誠さん(現在は表現作家として活躍中)にアドバイスをもらいました。石神さん、お世話になりました。


野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
https://x.gd/sq5xe

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。